崖っぷち between the devil and the deep sea 2005 1 26
今のイラク(Iraq)は、
一言で言えば、「between the devil and the deep sea」でしょう。
そこで、こんな誘惑に駆られるかもしれない。
シーア派、スンニ派、クルド人で仲が悪いならば、
イラクを、実質的に、三つの国に分けてしまえば、丸く収まる。
しかし、これが、地獄の一丁目(Edge of Hell)になるかもしれない。
たいてい、甘い誘惑には、罠があります。
寝た子を起すことになるかもしれない。
パンドラの箱 pandora's box 2004 1 17
「ニューズウィーク日本版 2004 1.21」を読むと、
やはり、イラクが、「パンドラの箱」だったと思えてくる。
その記事は、以下の通り。
「Refereeing in Hell」
「新生イラク『分解』の現実味」
「クルド人は、すでに『独立』」
「いま、クルド人は、自前の法律と指導者と軍隊を持っている。」
「スンニ派も、民兵組織を作るべきだと唱えている。
イランで訓練を受けた約1万人のシーア派民兵や、
実戦経験豊富な約7万人のクルド人民兵と対抗するために、
独自の兵力が必要というわけだ。」
少数派 minority people 2004 3 19
「イラクで少数派のクルド人」ということを、よく聞きます。
しかし、これを、クルド人が聞いたら、怒るでしょう。
「好きで、少数派をやっているわけではない」と言うでしょう。
中東の各国には、少数派のクルド人がいます。
しかし、全部のクルド人を合わせれば、多数派です。
イラクのクルド人。
イランのクルド人。
シリアのクルド人。
トルコのクルド人。
アルメニアのクルド人。
5つに引き裂かれたクルド人を、
ひとつにまとめれば、数千万人のクルド人になります。
しかし、クルド人国家は、歴史的に認められなかったのです。
歴史を振り返れば、列強による中東地域の分割で、
人為的に国境線が引かれたのです。
クルド人居住地域は、チグリス川、ユーフラテス川の水源に位置し、
さらに、石油資源が豊富な地域もあります。
そういうわけで、クルド人は独立を認められなかったのです。
実に、気の毒な民族です。